貸しコンテナ投資はもう遅いのか?
一昔前はトランクルームと言えば海上コンテナ。
実は今、貸しコンテナの出店が低迷しています。
なぜ?貸しコンテナが厳しい状況なのでしょうか?
ここでは、その理由を探ってみます
貸しコンテナ投資の建築確認問題
平成16年に横浜市建築局監査指導課により、貸しコンテナ業者が撤去命令を出されたのがきっかけで表面化しました。簡単に説明すると貸しコンテナは建物ということになったのです。
建物=建築確認申請が必要になります。建物と判断されると様々問題が発生します。
市街化調整区域の活用ができない
貸しコンテナは建物ではない。だから本来建物を建築してはいけない市街化調整区域に出店ができました。(貸しコンテナ業者の判断による)
この市街化調整区域は、通常用途がかなり絞られるために、貸し出し賃料も安いのが特徴です。
貸しコンテナ業者からしてみれば、最高の貸地だったわけです。
コンテナが建物として認められるのであれば、当然市街化調整区域への出店は不可です。
一部の業者では、建物ではないという主張していますが、行政が判断した以上難しいと思います。
建築確認申請対応のコンテナが高額
コンテナを建築確認申請するためには、部材をJIS材する必要があります。
海上コンテナではこのJIS材はほぼ採用されていません。
このJIS材を採用することは、大幅なコストアップにつながります。
結果、利回りが低下して魅力的な投資が難しくなってきました。
賃貸借の形態が変わる
今まであれば、一時使用契約という非常に簡単な契約で締結できました。
一時使用契約とは、月極駐車場契約のようなものです。
貸主はいつでも解約することができるので、気楽に貸し出すことができました。
しかし、コンテナが建物となると、そうはいきません。
貸し地に建物が建てられると、借主に強い権利が発生するので敬遠されがちです。
理由は安易に土地を返却してもらえなくなり、土地活用に弊害が発生するからです。
事業用定期借地契約でカバー
貸主が安心して契約できるものでは、事業用定期借地契約があります。
明確に期間が決まっているため、貸主も安心して貸し出すことが可能です。
しかし、トランクルーム事業は、長期安定収入を得るのが最大のメリット。
この事業最大のメリットをこの契約では活用することができません。
また、最近は稼働率が理想になるまでに数年かかります。
10年程度の期間の場合は、投資回収に5年以上、残りの5年未満で利益、そして撤退。
これでは、リスクばかり大きく、魅力的な収入を得ることは難しいでしょう
事業用的借地で契約するときは、しっかり売上シミュレーションを作成して長期的な視野をもって検討することをおすすめします。
貸しコンテナは儲からない時代へ
このような背景から、貸しコンテナの新規出店ペースは近年鈍ってます。
建築確認を取らなくてはいけない時代になった今。
このビジネスの魅力は半減してしまいました。
初期投資金額の増大、集客の長期化。賃貸借契約の難易度アップなどが挙げられます。